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身体疾患によるナルコレプシー
Narcolepsy due to medical condition


身体疾患や神経性疾患がナルコレプシーの直接的な原因となる場合を身体疾患によるナルコレプシー(Narcolepsy due to medical condition)と診断します。もちろん、臨床的に明らかな情動脱力発作が認められる、あるいは睡眠ポリグラフ検査においてナルコレプシーの診断基準を満たしている必要があります。


情動脱力発作を伴うナルコレプシーを誘発する原疾患として、視床下部腫瘍あるいはサルコイドーシス、視床下部の傷害となる多発性硬化プラーク、抗Ma2抗体を有する腫瘍随伴症候群、Neiman-Pick type C disease、可能性としてコフィンローリー(Coffin Lowry)症候群が報告されています。


一般的に情動脱力発作を伴わないナルコレプシーを誘発する原疾患として、頭部腫瘍、多発性硬化症、筋緊張性ジストロフィー、Prader-Willi syndrome、パーキンソン病、多系統萎縮症などが報告されています。


診断基準 (ICSD-2)
  1. 日中の過度の眠気がほとんど毎日すくなくとも3ヶ月間にわたりみられる。

  2. 以下のうち該当するものがある。

    A 感情が引き金となる突然の一時的な筋緊張の消失(情動脱力発作)が認められる。

    注:本疾患の診断には、可能な限り反復睡眠潜時検査(MSLT)とそれに続く終夜睡眠ポリグラフ検査を実施すべきである。

    B 情動脱力発作は認められないか非定型であるが、十分な夜間睡眠(6時間以上)後の睡眠ポリグラフ検査により以下のような所見が認められる。

    MSLTによる平均睡眠潜時が8分未満あるいは入眠時レム期の出現が2回以上。

    注:入眠時レム期の2回以上の出現は特徴的な所見である。平均睡眠潜時の8分未満は一般集団でも30%以上で認められる。

    C 昏睡状態ではない患者から採取した脳脊髄液中のオレキシン1(ヒポクレチン1)濃度が110 pg/mL以下(あるいは正常コントロール値の30%以下)。

    注:重篤な身体疾患や神経性疾患を有する患者では、終夜睡眠ポリグラフやMSLTの実施や解析が不可能な場合がある。同様に、重篤患者の脳脊髄液痛のオレキシン1濃度の意義も明らかでない。異常な睡眠ポリグラフや低濃度オレキシン1の所見は、臨床所見を考慮して解釈しなければならない。

  3. 日中の眠気を説明できる身体疾患あるいは神経性疾患が存在する。

  4. 過眠症状は、他の睡眠障害、精神疾患、薬物使用、あるいは薬物乱用などで説明することができない。


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