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情動脱力発作を伴わないナルコレプシー


短時間の昼寝(仮眠)が必要となるような日中の過度の眠気が主症状であり、明らかな情動脱力発作は認められません。夜間の睡眠は正常または重度ではない障害が認められます。睡眠麻痺(いわゆる金縛り)、入眠時幻覚、自動症などが付随することもあります。本患者の反復睡眠潜時検査(MSLT)での平均睡眠潜時は3.1±2.9分というメタ解析報告があります。


情動脱力発作を伴わないナルコレプシーの疫学は、よくわかっていません。Population-based studyによる無作為MSLTにおいて、入眠時レム期の出現が2回以上認められるケースが全体の1-3%という報告があります。健常人のおよそ4%が、睡眠麻痺や入眠時幻覚を繰り返し経験することも報告されています。背景に不眠がある場合には、日中に眠気が生じMSLTの結果を信用できません。このように、慎重な鑑別診断が必要となるケースがあります。


診断基準 (ICSD-2)
  1. 日中の過度の眠気がほとんど毎日すくなくとも3ヶ月間にわたりみられる。

  2. 典型的な情動脱力発作は認められないが、疑わしい症状あるいは情動脱力発作に似た非定型症状が認められることもある。

  3. 本疾患の診断には、反復睡眠潜時検査(MSLT)と終夜睡眠ポリグラフ検査を実施して確定しなければならない。十分な夜間睡眠(最低6時間)後のMSLTによる平均睡眠潜時が8分以下で入眠時レム期の出現が2回以上認められる必要がある。

    注:MSLTにおける2回以上の入眠時レム期の出現は、本疾患に極めて特異的な所見である。一方で平均睡眠潜時8分未満は正常人のおよそ30%以上に認められる。

  4. 過眠の症状は、他の睡眠障害、内科疾患、神経性疾患、精神疾患、薬物の服用、薬物乱用などで説明することができない。


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