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長時間睡眠を伴う特発性過眠症
Idopathic hypersomnia with long sleep time


ICDS(第2版)において、特発性過眠症が長時間睡眠を伴うものと伴わないものに細分類されました。


長時間睡眠を伴う特発性過眠症は、次のような症状によって特徴づけられます。
  1. ひどい眠気が持続する。

  2. 日中の居眠りは数時間にも及ぶことがあり、目覚めたときに爽快感がない。

  3. 夜の睡眠時間が少なくても10時間以上となり、中途覚醒はほとんど認められない。(一般的には、12から14時間の睡眠時間)

  4. 朝や昼寝からの目覚めが悪く、しばしば睡眠酩酊が認められる。

  5. 情動脱力発作やレム睡眠関連の睡眠障害は認められない。


疫学はほとんど知られていませんが、ナルコレプシーの10分の1程度の罹患率と思われます。発症に性差はなく、小児での発症はほとんどありません。25歳以前の発症が一般的で、自然治癒した報告は数えるほどしかありません。


病態生理学は解明されていません。脳脊髄液中のモノアミン代謝物やオレキシン濃度を測定した研究報告がありますが、病態の手がかりとなる所見は得られていません。予備的な研究でヒスタミン神経系の伝達が低下しているかもしれないという報告があります。


本疾患の鑑別診断が難しいケースがあります。臨床的に脳の障害が疑われる場合には、CTスキャンやMRIを実施すべきでしょう。Long sleeperとの鑑別が困難な場合もあります。睡眠ポリグラフ測定日の1週間前から、睡眠―覚醒スケジュールを睡眠日誌やアクチグラフなどによって標準化する必要があります。


診断基準 (ICSD-2)
  1. 日中の過度の眠気がほとんど毎日すくなくとも3ヶ月間にわたりみられる。

  2. 問診、アクチグラフ、睡眠日誌などによって、夜間の睡眠が長時間(10時間以上)であることを証明できる。朝の目覚めや昼寝からの覚醒が、ほとんど常に悪い。

  3. 終夜睡眠ポリグラフ検査から、他の原因による日中の眠気を除外できる。

  4. 睡眠ポリグラフから、睡眠潜時が短く、夜間睡眠が10時間以上に及ぶことが認められる。

  5. 終夜ポリグラフ試験後の反復睡眠潜時検査(MSLT)による平均睡眠潜時が8分未満で入眠時レム期の出現が2回未満である。特発性過眠症患者の睡眠潜時の平均値は6.2±3.0分である。

    注:平均睡眠潜時の8分未満は一般集団でも30%以上で認められる。MSLTによる平均睡眠潜時と臨床的に明らかな眠気に対する医師の解釈、この両者を診断にあたって考慮すべきである。

  6. 過眠の症状は、他の睡眠障害、内科疾患、神経性疾患、精神疾患、薬物の服用、薬物乱用などで説明することができない。

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