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パーキンソン病で認められる日中の過度の眠気の特徴


(背景)
パーキンソン病において日中の過度の眠気を呈する患者が少なくありません。パーキンソン病患者で見られる日中の過度の眠気の症状は、しばしばナルコレプシーにおける症状と似ています。

(目的)
本研究では、パーキンソン病患者における日中の過度の眠気について評価を行いました。

(方法)
一定期間に連続して受診した30名のパーキンソン病患者を対象に詳細な臨床検査を実施しました。日中の過度の眠気の評価は、エプワース眠気評価スケール(ESS)と反復睡眠潜時検査(MSLT)を用いました。睡眠の状態はビデオと睡眠ポリグラフにて評価しました。同意の得られた3名の被験者から脳脊髄液中のヒポクレチン1の濃度測定を行いました。

(結果)
今回検査したパーキンソン病患者の57%において、ESSの総得点が11点以上でした。MSLTによる平均睡眠潜時は、11名(37%)の患者において5分未満でした。ESSと平均睡眠潜時の間には有意な逆相関が認められました。平均睡眠潜時が5分未満であった11名の患者すべてにおいて、入眠時レム睡眠は認められませんでした。

日中の過度の眠気を有する患者群は、眠気を有さない患者群よりもパーキンソン病治療薬であるドパミン作動薬もしくはレボドパの等価換算用量および無呼吸/低呼吸指数が高く、眠気はwaring-off期により発現する傾向が認められました。3名の患者の脳脊髄液中のヒポクレチン1濃度は正常な範囲でした。

(結論)
パーキンソン病患者で認められるEDSは、パーキンソン病患者に共通する症状であり、重度なほど顕著であることが示唆されました。しかしながら、ナルコレプシーとは異なり、入眠時レム睡眠や脳脊髄液中のヒポクレチン1濃度低下は認められませんでした。パーキンソン病患者のEDSの原因には多くの因子が関与しており、パーキンソン病の重症度、wearing-off現象、抗パーキンソン病薬の用量、睡眠関連呼吸障害の有無などの因子との関連性が示唆されました。

(Poryazova R et al: Excessive daytime sleepiness in parkinson's disease: Characteristics and determinations. Eur Neuro; 63:129-135, 2010)


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