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ノルウェーにおける情動脱力発作を伴うナルコレプシーの有病率調査


(背景)
ナルコレプシーは生涯持続する慢性疾患ですが、適切な治療により症状を軽減させることができます。しかしながら、多くの患者において最初の症状が出現してからナルコレプシーと診断され適切な治療を受けるまでに10年から15年もの長い年数を要していることが報告されています。ですから、適切な診断と治療を受けるための方策を確立させるためには、ナルコレプシーの罹患率を推定することがとても重要です。

(目的)
ノルウェーにおける情動脱力発作を伴うナルコレプシーの実態を調べるために罹患率の調査を実施しました。

(方法)
20歳から60歳までのノルウェー人を対象として無作為に選んだ14,548人にUllanlinna Narcolepsy scale (UNS)を郵送しました。UNSの総得点が14点以上あった人に対して電話によるインタビューと臨床評価を実施しました。ナルコレプシーの疑いがあるとされた人に対して睡眠ポリグラフによる睡眠検査と白血球抗原(HLA)のタイピングを実施しました。

(結果)
8,992人から回答を得ました(回答率61.8%)。UNSが14点以上あった人は267名でした。156名からインタビューを得られ、睡眠ポリグラフを実施したのは15名でした。2名がナルコレプシーと診断されHLA DQB1*0602はいずれも陽性でした。

(結論)
今回の調査において、情動脱力発作を伴うナルコレプシーの罹患率は0.022%であり、ノルウェーにおける患者数はおよそ1000人と推定されました。
(Heier MS et al. Prevalence of narcolepsy with cataplexy in Norway. Acta Neurol Scand, May 14 online, 2009)


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