睡眠の最新研究論文
アメリカにおいて閉塞性睡眠時無呼吸症を有する民間トラック運転手の 多くは未診断もしくは未治療である

(背景)
アメリカにおいてトラック事故により毎年何千人もの死亡者が出ています。その主要原因は運転手の疲労と眠気です。肥満の運転手に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA) を罹患している率が高いことが知られており、トラック事故を防ぐためにOSAのスクリーニングをすることがとても大切と考えられています。

(目的)
トラック事故に関連していると考えられる運転手のOSAの実態を調べるために、 Federal Motor Carrier Safety Administrationの要請によって、アメリカの民間長距離トラック運転手を対象とした睡眠時無呼吸のスクリーニングが実施されま した。

(方法)
異なる50施設の運送関連事業所の456名の運転手を対象として、運転手の健康診断時にOSAのスクリーニングを実施しました。OSAの疑いのある運転手には、睡眠障害専門医を紹介し睡眠ポリグラフ検査を実施し、OSAと診断された場合には、適切な治療の指導を行いました。

(結果)
50事業所の456名を対象としたスクリーニングで全体の17%にOSAの疑いがあると されました。これらの疑いのある運転手は年齢が高い傾向と肥満傾向が認められ ました。紹介された53名に対して睡眠ポリグラフ検査を行おうとしたところ、33名 からの同意が得られずその後のフォローを断念しました。同意の得られた20名に対 して睡眠ポリグラフ検査を実施したところ、20名すべてがOSAと診断されました。 しかしながら診断された20名のうち治療に同意したのはわずか1名だけでした。

(結論)
今回の調査において、ほとんどのトラック運転手が医師の指示に応じませんでした。 このことは、アメリカにおいてOSAの未診断もしくは未治療のままのトラック運転手が数多く存在することを意味しており、多くの死亡事故に関連していると考えられます。 近年Federal Motor Carrier Safety Administrationは、BMI値を基準として肥満と判定されたすべてのトラック運転手に対して睡眠時無呼吸検査を実施することを審議 しています。
  (Philip P et al. Screening for obstructive sleep apnea during commercial driver medical examinations. J Occup Environ Med 51: 275-282, 2009)


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