睡眠の最新研究論文
不安患者における情動脱力発作:不安障害において認知されていない潜在的なナルコレプシーが存在する?

(背景)
日中の過度の眠気、入眠時もしくは出眠時幻覚、睡眠麻痺、および情動脱力発作はナルコレプシーで認められる症状です。近年、不安障害においても日中の過度の眠気、入眠時もしくは出眠時幻覚、睡眠麻痺との関連性を示唆する報告がなされています。これらの所見から不安障害とナルコレプシーの間に何かの関連性の存在が疑われます。しかしながら、情動脱力発作はナルコレプシーに特異的な症状とされており、不安障害との関連性は知られていませんでした。

(目的)
不安障害と情動脱力発作の関連性を探るために、原疾患として不安障害を有する患者における情動脱力発作の有無などについて予備的な研究を実施しました。

(方法)
性別と年齢を適合させた33名の不安障害を有する患者と33名の健常ボランティアを被験者とし、主観的な睡眠の質(Pittsburgh Sleep Quality Index)およびStanford Center for Narcolepsy Revised Sleep Inventoryを用いて情動脱力発作について評価を行いました。

(結果)
不安障害群は健常ボランティア群よりも睡眠の質が低下しており、情動脱力発作と関連した状況(例えば、驚きや恥ずかしいなどの感情変化時)における同様の症状が高率に認められました。不安障害群の33.3%(33名中11名)に典型的な情動脱力発作の存在が認められました。

(結論)
今回の予備的研究において、不安障害では情動脱力発作の発症リスクが高いことが示唆されました。しかしながら、不安障害(特にパニック障害と全般性不安障害)とナルコレプシーの関連性を明らかにするためにはさらなる研究が必要とされます。
  (Flosnik DL et al. Cataplexy in anxious patients: is subclinical narcolepsy underrecoginized in anxiety disorders? J Clin Psychiatry, May 5 online, 2009)


Copyright © 2006-2009 Kaminsho-Land All Rights Reserved.