不眠・睡眠トラブルと補完・代替医療

不眠症は、アメリカにおいてポピュラーであり、しばしば健康に対して慢性的に害を及ぼすことが問題となります。補完・代替医療を受けている睡眠障害患者の実態については十分な把握がされていません。今回、アメリカ国立補完・代替医療センター(NCCAM)とNIHからの研究グループによって、2002年のNational Health Interview Survey Dataをもとに不眠などの睡眠トラブルの罹患率と補完・代替医療の実態に関する調査が行われました。

18歳以上の成人(31,044人)データの解析から、不眠や睡眠トラブルを訴える患者の1年間の罹患率は17.4%でした。これら患者の4.5%が補完・代替医療(ハーブなどの生物学的な治療がおよそ65%、リラクゼイションによる心と体の療法がおよそ39%)を利用していました。大多数の患者は効果的と感じており、興味があった(67%)、従来の医学的治療との併用が効果的と思う(64%)という意見が大多数を占めていました。これらの結果以外に興味深い解析結果として、不眠などの睡眠障害と肥満(オッズ比(OR):1.15、95%信頼区間(CI):1.01-1.31)、高血圧(OR:1.32、95%CI:1.16-1.51)、うっ血性心不全(OR:2.24、95%CI:1.60-3.14)、不安ならびにうつ(OR:5.64、95%CI:5.07-6.29)などの慢性疾患との間に強い因果関係が示されました。

今回の解析結果から推定すると、およそ160万人以上の不眠などの睡眠障害を有するアメリカ人が何らかの補完・代替医療を受けていることが判明しました。この解析結果の詳細は、今後の睡眠障害における補完・代替医療の研究の指針となるでしょう。
(Pearson et al. Insomnia, trouble sleeping, and complementary and alternative medicine: Analysis of the 2002 national health interview survey data. Arch Intern Med 2006; 166: 1175-82.)

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