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鉄分補給によるむずむず脚症候群の改善効果

(背景)
むずむず脚症候群(Restless Legs Syndrome, RLS)は、安静時に表現し難い四肢の異常感覚が出現する疾患で、四肢をじっとさせていることができなくなります。その結果、睡眠に悪影響を与え日中の過度の眠気を伴うことが多い疾患です。原発性RLSは遺伝性疾患であり、二次性RLSは妊娠、腎疾患、貧血症、AD/HDなどに認められ、その発症原因の一つとして鉄分の不足が考えられています。

(目的)
本研究では、血清中のフェリチン濃度が低いRLS患者に対する経口での鉄分補給の有用性が検討されました。

(方法)
12週間の無作為プラセボコントロール二重盲検による試験として実施されました。

(結果)
むずむず脚症候群の国際評価スケール(IRLS)の基礎値は、鉄分補給治療群(24.8±5.72)とプラセボ群(23.0±5.03)で差がありませんでした。同様に、血清中のフェリチン量の基礎値も鉄分補給治療群(40.6±15.3ng/ml)とプラセボ群(36.7±20.8ng/ml)で差がありませんでした。

12週間後のIRLSでみると、鉄分補給群(10.3±7.40の減少)の方がプラセボ群(1.14±5.64の減少)よりも有意な改善効果を示しました(p=0.01)。一方、治療群の血清フェリチン量はプラセボ群よりも有意に増加していました(p=0.04)。治療群のQOLは有意でなないもののプラセボ群より改善傾向を認めました(p=0.07)。                             

(結論)
血清中のフェリチン量が低いRLS患者に対する経口による鉄補給の有用性がプラセボ二重盲検試験にて初めて実証されました。
  (Wang J et al.: Efficacy of oral iron in patients with restless legs syndrome and a low-normal ferritin: A randomized, double-blind, placebo-controlled study. Sleep Med; Feb 16 online, 2009)



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