睡眠の最新研究論文
薬物治療経験のない過眠症患者の健康に関連したQOLの調査

(目的)
「情動脱力発作を伴うナルコレプシー」、「情動発作を伴わないナルコレプシー」、および「長時間睡眠を伴わない特発性過眠症」と診断された薬物治療経験のない患者の健康に関連したQOL(HRQOL)が評価されました。

(方法)
睡眠障害国際分類第2版の基準に該当する薬物治療経験のない137名の患者を被験者としました。その診断名の内訳は、「情動脱力発作を伴うナルコレプシー」28名、「情動脱力発作を伴わないナルコレプシー」27名、「長時間睡眠を伴わない特発性過眠症」82名でした。

QOLの質問表であるSF-36、エプワース眠気評価尺度(ESS)、sociodemographic variables、運転習慣や過去の交通事故の経験の聞き取り調査等の質問を被験者全員に対して実施しました。

(結果)
情動脱力発作を伴うナルコレプシー群、情動発作を伴わないナルコレプシー群、および長時間睡眠を伴わない特発性過眠症群のSF-36の各ドメインの得点は、健康な日本人を対象とした平均値と比較して有意に低値でした。

これらの疾患群間には、SF-36の値に差はありませんでした。Multiple linear regression analyses の結果、SF-36の各ドメイン内にQOLの低下に影響を与えている特別の因子は見つかりませんでしたが、罹病期間とメンタルヘルスの間には明らかな相関性が認められました。

日常的に車の運転をしていると答えた被験者でみると、ESSスコアが16点以上の場合に過去の交通事故の経験と有意に関連していました。

(結論)
薬物治療経験のない過眠症患者のHRQOLは、健常者よりも低下していることが認められましたが、過眠症の病型や重症度による差はありませんでした。しかしながら、重度の過眠は交通事故の発生の大きな要因となっていました。
  (Ozaki A, et al.: Health-related quality of life among drug- naive patients with narcolepsy with cataplexy, narcolepsy without cataplexy, and idiopathic hypersomnia without long sleep time. J Clin Sleep Med 4: 572-578, 2008)



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