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治療抵抗性高血圧患者の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の罹患リスク:ベルリン質問表(Berlin Questionnaire)の有用性

(背景)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は治療抵抗性高血圧の危険因子と成り得ます。終夜睡眠ポリグラフや簡易睡眠モニターで治療抵抗性高血圧を発見することはできません。治療抵抗性高血圧の発見には質問表による調査が有用かもしれません。

(目的)
今回、症例コントロール研究として、ベルリン質問表とエプワース眠気尺度を用いて閉塞性睡眠時無呼吸症候群と治療抵抗性高血圧の関連性を調べました。

(方法)
63名の治療抵抗性高血圧患者(少なくとも3種類の抗高血圧薬による治療でも収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上)を被験者としました。比較対照群として、薬物治療で血圧を正常に維持されている63名の患者を選択しました。

すべての被験者において、携帯式血圧モニタリングと携帯モニターによる睡眠検査を実施しました。ベルリン質問表とエプワース眠気尺度による危険スコアを呈する頻度を両群で比較検討しました。

(結果)
エプワース眠気尺度の得点が11点以上の人が両群で44%存在していました。ベルリン質問表で閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して高リスクとなる高得点を示した患者は、治療抵抗性高血圧群で78%、比較対照群で48%と有意な差が認められました。

ロジスティック回帰モデルにより、ベルリン質問表の閉塞性睡眠時無呼吸に対して高リスクとなる得点と治療抵抗性高血圧との関連性が認められました(オッズ比4.1:95%信頼区間 1.80-9.31, P<0.01)。ベルリン質問表による閉塞性睡眠時無呼吸の診断における感受性と特異性は、治療抵抗性高血圧群で85.5%、比較対照群で65.0%でした。

(結論)
ベルリン質問表によって閉塞性睡眠時無呼吸の高リスクと評価される率が高く、特に治療抵抗性高血圧群で顕著でした。この質問表は実地診療における閉塞性睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングに有用かもしれません。
  (Gus M, et al..: Risk for Obstructive Sleep Apnea by Berlin Questionnaire, but not daytime sleepiness, is associated with resistant hypertension: a case-control study.  Am J Hypertens 21: 832-835, 2008)



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