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睡眠時無呼吸患者において、運動不足、うつ、無呼吸の重症度が日中の過度の眠気と相関する

(背景)
睡眠時無呼吸患者において、エクササイズは無呼吸、うつ、代謝異常の改善に有効とされていますが、エクササイズと日中の過度の眠気との関連性は知られていません。

(目的)
睡眠時無呼吸症患者の日中の過度の眠気に対する、日常の運動不足、抑うつ状態、無呼吸の影響について調査することです。

(方法)
一定期間に、睡眠障害クリニックに紹介された睡眠時無呼吸患者1106名(男性741名、女性305名)を対象としました。日中の過度の眠気の程度はエプワース眠気尺度を用いて評価しました。活動性はquantifiable Physical Activity Questionnaireにて評価しました。

(結果)
性差を比較すると、男性は女性よりも無呼吸・低呼吸指数(AHI)が有意に高く(男性40.4 ± 1.2 、女性31.0 ± 1.8)、Body Mass Index(BMI)が有意に小さい(男性35.3 ± 0.3 kg/m2 、女性 39.6 ± 0.5 kg/m2)ことが認められました。

年齢、BMI、性差、中枢薬の投薬状況などを調整した直線回帰解析の結果、logAHI、抑うつ、定期的な運動欠如は眠気の予測因子として、統計学的に有意であることが判明しました。

すなわち、軽度から中等度の眠気の予測因子は、男女共に抑うつとlogAHIであり、重度の眠気の予測因子は、男性では定期的な運動欠如、抑うつ、および最小酸素飽和度(minimun SaO2)、女性ではlogAHIでした。

(結論)
肥満の睡眠時無呼吸患者では、定期的な運動欠如(男性のみ)、抑うつ、無呼吸の重症度が日中の過度の眠気の有意な予測因子でした。これらの相関性は、性別や眠気の重症度によって、相違が認められました。これらの所見から、睡眠時無呼吸患者の評価をするうえで、うつ病の診断とケア、身体エクササイズの指導と管理にも積極的に取り組む必要性が示唆されました。
  (Basta M et al., Lack of regular excercise, depression, and degree of apnea are predictors of excessive daytime sleepiness in patents with sleep apnea: sex differences. J Clin Sleep Med 15:19-25, 2008)


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