睡眠の最新研究論文
単一施設における小児ナルコレプシーの後ろ向き調査

(背景)
小児ナルコレプシーの研究は、成人ナルコレプシーの研究ほど進んでおりません。

(目的)
小児ナルコレプシーの臨床的特徴、睡眠ポリグラフィーにおける特徴的な所見、他の過眠症との鑑別、ナルコレプシーと併存するかもしれない過眠症の併存率などが調査されました。

(方法)
単一施設において、過去1年以内に過眠を主訴として受診した 125名の小児を対象とした後ろ向き調査。

(結果)
過眠を主訴とした小児125名のうち20名(16%)がナルコレプシーと診断されていました。これらの小児ナルコレプシー患者の15%に情動脱力発作、10%に幻覚の体験が認められましたが、睡眠麻痺を認めた患者はいませんでした。睡眠ポリグラフによる検査の結果、小児ナルコレプシー患者の85%に睡眠呼吸障害が認められました。BMIは年齢を適合させたコントロール群よりも有意に大きく、小児ナルコレプシー患者の肥満化が認められました。

また、睡眠ポリグラフ検査において、25%に周期性四肢運動障害、5%に睡眠時随伴症が認められました。

小児ナルコレプシーの反復性睡眠潜時検査における平均睡眠潜時は6.14分で、入眠時レム期の発現回数は5回の昼寝のうち中央値が2回でした。小児ナルコレプシー患者には、日中の眠気の改善としてモダフィニル(モディオダール錠)またはsodium oxybate(日本未承認)が処方されていました。

(結論)
小児で過眠を主訴とする患者の診察においては、ナルコレプシーやその他の過眠症を見逃さないためにも、詳細な病歴の問診と睡眠ポリグラフ検査を日常的に実施することの大切さが示唆されました。
(Vendrame M et al., Narcolepsy in children: a single-center clinical experience. Pediatr Neurol 38: 314-320, 2008)


Copyright © 2006-2008 Kaminsho-Land All Rights Reserved.