Caerphilly cohort研究からのエビデンス:睡眠障害の脳卒中および心臓病発症のリスク

高齢者における睡眠障害と虚血性脳卒中と虚血性の心臓病発症のリスクに相関性があるという仮説を証明するためにコホート研究が実施されました。Caerphilly cohort(イギリスのサウス・ウェールズの高齢者による代表的な住民サンプル)からの年齢55から69歳の1986人の男性に対して妻の協力のもとに睡眠に対する質問を実施しました。質問の内容は不眠、いびき、むずむず脚、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、日中の眠気などの睡眠障害の症状に関するものです。その後、10年間の追跡調査において107人の男性が虚血性脳卒中を経験し、213人の男性が虚血性心臓病の発症を起こしたことが判明しました。10年前に実施された睡眠の質問表を調べると、これらの男性の3分の1に睡眠障害を示唆する症状が回答されており、また3分の1の人が日中に眠気があると回答されていました。睡眠障害の認められなかった群と比較すると睡眠障害と虚血性脳卒中の相対的オッズ比が1.97 (95%CI: 1,26 ? 3.09)であり、特に睡眠時無呼吸症候群との強い因果関係が示唆されました。その一方で、睡眠障害と虚血性心臓病の発症には有意な関係は認められませんでした。日中の眠気がないという群と比較すると、日中の眠気と虚血性心臓病の発症においてオッズ比が1.41 (95%CI: 1.04 ? 1.92)でした。以上のことから、睡眠障害を有する男性において虚血性脳卒中のリスクが増加したことと、日中の眠気を有する男性において虚血性心臓病の発症のリスクが増加したことが今回のコホート研究で認められました。
(Elwood et al. Sleep disturbance, stroke, and heart disease events: evidence from the Caerphilly cohort. J Epidemiol Community Health 2006; 60: 69-73.)

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