閉塞性睡眠時無呼吸と尿中アルブミン量との関係

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)があると心血管病を発症するリスクが高まることが明らかになっていますが、そのメカニズムについては十分に解明されていません。これらの考えられる原因として、交感神経系の過活動、迷走神経系の活動障害、インスリン抵抗性などの関与がこれまでに報告されています。近年、分子レベルによる心血管病のリスク研究が精力的に行われるようになり、心血管病発症の前段階として、全身の炎症性反応、血液凝固系、血管内皮機能などの恒常性維持機構の調節異常が報告されています。心血管病が認められないOSA患者にも同じような異常が報告されており、これらの異常はCPAP療法で改善することも報告されています。

血管内皮細胞に関して、アルブミンの尿排泄は血管内皮細胞の機能障害の指標のひとつであり、心血管病の強力な危険因子とされています。そこで、OSA患者におけるアルブミン尿排泄量が調べられました。

(試験方法)
様々な程度のOSAを有する496名の成人を対象に、終夜睡眠ポリグラフと尿採取を実施しました。OSAの重症度は無呼吸・低呼吸指数(AHI)を用いて評価されました。人種や性差などで補正されたアルブミン・クレアチニン比(aACR)を主要評価項目としました。aACRが25-250 mg/g の範囲内の場合に、微小アルブミン尿としました。   

(試験結果)
患者の平均年齢は44±17歳で、男性が44%でアフリカ系アメリカ人が56%でした。AHIによるOSAの重症度をみると軽度(AHI 5−14)が23%、中等度(AHI 15−29)が15%、重度(AHI 30以上)が15%でした。

平均aACRは10.7 mg/gで、AHIが5以下の群の平均は7.4 mg/g、AHIが30以上の群の平均は21.5 mg/gでした。微小アルブミン尿の割合は、AHIが5以下の群で4.7%、AHIが30以上の群で20.3%でした。補正線形混合モデル解析の結果、AHI重症度とaACRに有意な相関性が認められ、AHIが30以上の群では平均aACRレベルが有意に高いことが認められました。

(結論)
OSA、特により重症度が高い患者において、アルブミンの尿排泄が有意に増加していることが認められました。この所見は、OSAと心血管病の間の介在経路に血管内皮の機能障害が存在することを支持するものでした。
(Faulx MD et al., Obstractive sleep apnea is associated with increased urinary albumin excretion. Sleep; 2007; 30: 923-929)


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