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「羊を数えると眠れる」って本当?

「なかなか寝付けない時に羊を数えると眠れる」という話は、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。しかし羊を数えても、逆に目がさえて寝付けなくなるという人もいるようです。そこで今回はこのおまじないのような儀式が、本当に効果があるのかどうかを考察してみましょう。


イギリス生まれの「Count Sheep」

そもそも眠れない時に羊を数えるという習慣はいつどこで生まれたのでしょうか。由来には諸説ありますが、イギリスで発祥した習慣だと言われています。英語圏ではこの「羊を数える」という行為は「Count Sheep」と呼ばれ、日本と同様に、眠りにつけない時に行うものとして知られています。


眠りにつけるメカニズムは?

では、羊を数えるこの行為が、どういった理由で人を眠りに導くのでしょうか。 英語で羊は「Sheep」と呼ばれます。この「Sheep(シープ)」という発音が「One sheep,two sheep...」というように一定のリズムで繰り返されることによって、徐々に「シー、シー」という長く息を吐く発音になり、深呼吸をするようなリラックスした状態になって眠りにつけるというメカニズムのようです。

さらに、人が同じ作業を繰り返していると、心身をリラックスさせる「アルファー波」という脳波が脳内に現われます。このアルファー波は、人が眠る直前にも発生し、入眠を促しているといわれています。羊を繰返し数えることでアルファー波が発生することが、入眠に効果的だとされる要因でしょう。

また、発祥の地イギリスにおいて、羊はイギリスの原風景であるのどかな田園風景を思い起こさせる動物です。イギリス人にとって羊を数えるということは「身近でのどかな風景」を思い、それがリラックス効果を高め、入眠しやすくしているともいえます。


日本人は「羊が一匹…」では眠れない?

以上のことから、羊に馴染みがない日本人にとっては「羊のカウント」は必ずしもリラックスできるものとはいえないでしょう。また、現代においては世界的に見ても羊に馴染みがなく、羊を思い浮かべてもリラックスできないという人は多いのではないでしょうか。

2002年に行われたオックスフォード大学の「入眠に対して被験者を、羊を数えるグループ、何もしないグループ、浜に打ち寄せる水や滝を思い浮かべるグループの3つのグループに分けた実験」によると「羊を数える行為よりも、滝などの綺麗な風景をイメージする方が入眠に効果的である」という結果が発表されました。 また、2012年に行われた広島国際大学の田中秀樹教授らによる「昼間眠くない状態の大学生14人に、羊数えと腹式呼吸の二通りの入眠方法を行ってもらう実験」によると「腹式呼吸を行う方が羊を数えるよりも入眠に対して効果的である。」という結論が出ています。


寝つけない時には、リラックスする風景を

現代において、「眠れない時には羊を数えるのがよい」とはもはやいえないのかもしれません。眠れない時には、自分が一番リラックスできる風景を思い浮かべることが効果的です。


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