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風邪をひいたり、感染症にかかったりすると、免疫系の働きが活発となり病原菌を撃退することはよく知られています。免疫系の働きはそれだけではありません。睡眠を誘発させる働きもあるのです。風邪をひいて熱がでると眠くなるのは、単に風邪薬の作用だけではなく免疫系が活発になっていることが関係しているのです。ウイルスに感染したときに生体の免疫反応として分泌されるサイトカインはウイルスの増殖を抑制する働きのほかに、脳に作用して睡眠を誘発させる作用を有することが分かってきました。病気と闘うための体力回復のためにも睡眠は重要なのです。



睡眠と免疫との関係について興味深い実験報告があります。ラットを強制的に眠らせない断眠試験を数日間行うと、ラットのリンパ節に大腸菌が繁殖し始めたのです。睡眠を奪ったことにより免疫系が弱まったことを意味するものであり、このまま実験を続ければ確実にラットは細菌感染症で死んでしまいます。
人間においても睡眠不足により病原体を殺す働きをもつナチュナルキラー細胞が減少することが明らかとなっています。睡眠不足になると風邪をひきやすいことは日常的に経験することですが、寝不足による免疫系の低下が主原因となっているのです。健康管理の面からも睡眠は非常に大切なものであり、仕事などの環境要因で睡眠不足のかたは睡眠時間を十分に確保できるライフスタイルの改善に努力が必要ですし、睡眠自体に何らかの障害を抱えているようであれば信頼できる睡眠専門医へ受診してみることも大切です。
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