目次に戻る 次へ進む
●睡眠不足症候群●


近年、社会構造や環境の複雑化とともに、慢性的な睡眠不足に陥り、日中の眠気、集中力の低下、意欲の低下、いらいら感などを呈する人が増えています。


例えば、会社での業務が日常的に忙しく、十分な睡眠時間を確保することが物理的に困難な場合、慢性的な睡眠不足状態になります。このような日常生活を続けることによって、日中の過度の眠気に毎日悩まされるようになると睡眠不足症候群と呼ばれる睡眠障害が疑われます。睡眠不足症候群では、休日など仕事から解放される日の睡眠時間が長くなるという特徴があります。また、日中の眠気だけではなく、随伴症状として、集中力の低下、注意散漫、活力の減退、いらいら感などが出現しやすいため、ケアレスミスや事故を引き起こす危険性が高くなります。日中の眠気で悩まれている場合は、睡眠障害の専門医に相談してみると良いでしょう。


この睡眠不足症候群を考えるときに注意しなくてはいけないことがあります。1日に必要な睡眠時間には、「個人差」があるということです。一般的には7時間から8時間ぐらいが平均的な睡眠時間とされていますが、なかには1日の睡眠時間が4時間もあれば十分という人がいます。いわゆるショートスリーパーです。ショートスリーパーの場合、1日の平均睡眠時間が4時間でも睡眠不足症候群になる危険性は低いと思われます。


しかしながら、平均的な睡眠時間(7時間から8時間)を必要とする多くの人々では、忙しい日常の中で慢性的な睡眠不足状態に陥りやすいものです。さらには、1日の睡眠時間を10時間以上必要とするロングスリーパーの場合、一般的な生活、すなわち1日の平均睡眠時間を7時間から8時間確保していても慢性的な睡眠不足状態となり、睡眠不足症候群になる危険性が高くなります。自分自身の適切な睡眠時間というものをほとんどの人が知らないのではないでしょうか?一度、ご自身の睡眠について考えてみることも重要です。



もうひとつの注意点として、特に若い人が問題となりますが、不規則な生活で就寝時間が遅くなり睡眠不足に陥っているケースです。夜遊び、ゲーム、インターネット、携帯メールなどで深夜2時3時まで起きており、日中に過度の眠気、やる気のなさ、活動性の低下、いらいら感が出現している若者が確実に増加しています。

このような場合は、自らの意思で睡眠不足に陥っているのですから、規則正しい生活をさせるように指導することが最も重要となります。夜間のネオン、ゲームの映像、携帯画面は強い光を発しており、否応なしに目に入ります。これが睡眠障害の原因にもなります。慢性的な睡眠不足から朝の起床が困難となり、朝食抜きで学校に行く、あるいは午前中休んでしまうなどの行動が出現しやすくなります。不登校や引きこもりの原因にもなりますし、朝食をとらないことによる空腹感で活動性・集中力・意欲の低下やいらいら感が増大するかもしれません。学業不振の原因にもなります。睡眠時間が短いと、日中の運動不足や夜間の飲食率が増加することなどが報告されており、このような悪い生活習慣の連鎖は肥満・高血圧・糖尿病などを発症するリスクが増大することに繋がります。よい事は何一つありません。規則正しい生活を心がけることの重要性が理解できると思います。


睡眠不足症候群の診断はこちらで説明しています。


Copyright © 2006-2008 Kaminsho-Land All Rights Reserved.