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第一夜効果(だいいちやこうか、The first night effect)
睡眠ポリグラフィーによる検査などを行う際に、よく現れる効果。睡眠ポリグラフィー検査では、電極の装着が行われ、記録室の環境が普段の睡眠の場所とはずいぶん変わってしまう。もちろん布団・枕などの寝具なども異なるため、被験者の睡眠の質にはよくない影響を及ぼしがちだ。
その影響は記録・検査の第一夜に見られることが多く、第一夜効果と呼ばれることがある。ちなみにこうした影響は、記録第二夜以降はあまり見られなくなる。


体内時計(たいないとけい、biological clock)
生物時計とも呼ばれる。生物は約1日の周期で繰り返される体内リズムを有している。これを制御しているものが生物時計であり。通常、外部(光など)からの刺激に頼らず、自律性により固有のリズムを作り出すしくみを指す。生物時計は高等動物のみならず原始的な細胞にも存在する。鳥類、哺乳類などでは脳内の視交叉上核という部位に生物時計が存在する。


退薬症候(たいやくしょうこう、Withdrawal symptom)
離脱症候とも呼ばれる。薬物を長期に反復摂取した結果、その薬物の摂取がやめられなくなる状態で、精神的に薬物の摂取を続けることを強く望む状態を精神的依存と言い、薬物の摂取をやめると出てくる身体的異常を退薬症候と言う。退薬症候が起こる身体的な依存では、しだいに薬物の用量をもとに戻し、増やさないと初めと同じ薬効が得られなくなる、いわゆる耐性が伴う身体的な依存状態になりやすい。
退薬症候は一般的には禁断症状ともいわれる。睡眠薬についても薬を急にやめるとこの症状が起こることがあり、不安、焦燥、ふるえ、発汗のほか、まれにせん妄やけいれんなどの症状、また不眠症のような状態が一過性に現れる。


多相性睡眠(たそうせいすいみん)
人間も含め動物は赤ちゃんほど長時間眠り、加齢するほど眠りが短くなっていく。そのうち、「睡眠時間が昼眠、夜眠の1日に2度以上あるタイプ」を多相性睡眠」と呼び、「睡眠時間が夜眠だけのタイプ」を単相性睡眠と呼ぶ。
ちなみに人間の睡眠は世代によって次のように様相が変わるという。
・新生児は多相性睡眠で、3〜4時間ごとに目覚めながら1日16〜17時間眠る。
・3〜4か月児は多相性睡眠で、昼は4〜5時間、夜は10時間ほど眠る。
・6か月〜1歳児は多相性睡眠で昼は4〜7時間、夜は6〜7時間眠る。
・4歳児前後は多相性睡眠で、昼は3時間、夜は8時間ほど眠る。
・6〜10歳児になると単相性睡眠となり、夜に10時間ほど眠る。
・成人は単相性睡眠で、7〜8時間眠る。
・老人は多相性睡眠で、昼は1〜2時間、夜は6〜7時間眠る。


黄昏泣き(たそがれなき、Baby Colic)
生後3か月頃、乳児が夕方になると決まって泣き出す現象(夜や明け方のこともある)。コリック、3か月疝痛などと呼ばれることもある。通常、赤ちゃんは不快なこと、不安なこと、眠たいときなどに泣き、黄昏泣きは日中の疲れなどが出たためと推測されるが、なぜ黄昏泣きをするのか明確なことはわかっていない。
ただし、胎教やベビーマッサージなど、妊娠中や産後すぐ乳児に適切なケアを施すことが大事だとされる。


脱力発作重積状態(だつりょくほっさじゅうせきじょうたい)
情動脱力発作」とは、大きな感情の動き(笑ったり、びっくりくりしたりするなど)に伴って、全身あるいは体の一部の力が急に抜ける「筋緊張消失」が起きることで、通常は長くても数十秒以内に症状は回復する。ところが、発作を抑えようと緊張することで断続的に発作が起こり、20〜30分もの間、身動きがとれない状況(重積状態)に陥るケースがある。これを「脱力発作重積状態」と呼ぶ。


タヌキ寝入り(たぬきねいり、Fox's sleep、Play possum)
タヌキは昔から、猟師の撃った銃の音などに激しく驚かされると失神し、しばらく経ってから正気に戻って逃げ出すといわれ、このような状態で、眠ったふりをすること。
ところで、有袋類のオポッサムの研究で、同様の行動は警戒行動であり、脳は完全に目覚めた状態にあることが判明した。タヌキの場合も失神ではなく、本能的にある種の刺激に応じて死んだふりをするとも考えられている。


単相性睡眠(たんそうせいすいみん)
日本では、睡眠を午後11時前後から午前6時前後にかけてとるのが一般的で、このよう睡眠時間が夜眠だけのタイプを「単相性睡眠」と呼ぶ。ちなみに、この単相性睡眠は生物学的なものではなく、照明器具が発明された結果できた人工的な睡眠パターンともいわれる。本来、動物は「多相性睡眠」が自然であり、たとえば、スペインの「シエスタ」では午後1時から4時の昼休みに午睡をとる。これはヒトのサーカディアンリズム(概日リズム)が午後に低下することからしても、理にかなった睡眠だといえるだろう。


断眠療法(だんみんりょうほう、Sleep deprivation)
断眠療法とは、うつ病患者が夜間眠らないことでうつ症状が急速に改善するという治療法である。
抗うつ薬による薬物治療は効果が現れるまで2週間以上かかるのに対し、断眠療法は断眠の直後から抗うつ効果が現れる。重いうつ状態から劇的に改善することも多い。ただし、効果が長く続かない場合が多く、断眠療法の後で睡眠をとるとうつ症状が再燃することがある。


致死性家族性不眠症(ちしせいかぞくせいふみんしょう、fatal familial insomnia)
不眠が続いて最後には死んでしまう恐ろしい病気。よく知られている不眠症と違って一度発症すると眠れなくなるだけでなく、身体を満足に動かせなくなり、やがて死に至る。40歳〜50歳代ごろに発症するのが特徴で、その治療方法は確立していない。 発症すると不眠症の兆候が現れ、交感神経の活発化による高血圧や発熱・呼吸が荒くなるといった症状が起こる。やがて寝不足からの幻覚や居眠りのほか、居眠り中に見た夢と同じ動きを現実でも行う「夢幻様混迷」という症状が現れる。夢幻様混迷は、初めのうちは数秒間だけだが、病気が進行すると回数が増え時間も長くなる。 致死性家族性不眠症は、「家族性」という言葉どおり家系で発病因子が遺伝していく。世界中で致死性家族性不眠症の因子を持っていることが確認されているのは40家族程度で、多くはイタリア系だが、日本でも数例が確認されている。


中枢刺激薬(ちゅうすうしげきやく、stimulant)
中枢に作用し、その機能を活性化させる薬物の総称。精神刺激薬とも呼ばれる。ナルコレプシーの治療に用いられるメチルフェニデートやペモリンは中枢刺激薬である。


中枢神経系(ちゅうすうしんけい、central nervous system, CNS)
神経系は大きく分けて、中枢神経と末梢神経から成る。脳と脊髄からなる神経を中枢神経系という。脳は大脳皮質、基底核、間脳、中脳、小脳、橋、延髄で構成される。中枢神経系は末梢からの刺激の反射や統合処理、記憶、感情、意思など様々な働きをしている。


中枢型睡眠時無呼吸症候群(ちゅうすうがた・すいみんじ・むこきゅうしょうこうぐん、central sleep apnea syndrome)
呼吸中枢の機能異常が原因で、睡眠中に無呼吸を起こす病気。呼吸中枢の近くでの脳血管障害や腫瘍などで発症することがある。


中途覚醒(ちゅうとかくせい、arousal during sleep)
夜中に目が覚め、その後眠れなくなる状態。高齢者は睡眠が浅くなるため、中途覚醒がおこりやすい。また、うつ病、睡眠時無呼吸症候群、脳変性疾患(脳卒中、痴呆など)などでも、発現しやすい。
アルコールを飲むと寝つきがよくなるが、睡眠は浅くなり、中途覚醒しやすい。


昼夜交代勤務(ちゅうやこうたいきんむ、Shift work)
深夜勤務や24時間営業などでの交代勤務のこと。コンビニをはじめ24時間営業の店が増え、それをサポートする24時間の勤務体制は睡眠の質を悪くするという指摘がかねてからなされている。とくに勤務スケジュールと関連して一時的に強い眠気に悩まされたり不眠を訴えたりする睡眠障害を、「交代勤務性睡眠障害」と呼ぶ。深夜勤務によって寝つきが悪く、夜中に目覚めると再び寝入ることができないなどと訴える人がいる。交代勤務性睡眠障害は、いわば時差ぼけの状態が毎日起こっていると考えてよいだろう。


陳述的記憶(ちんじゅつてききおく、Declarative memory)
イメージや言語として意識上に内容を想起でき、その内容を陳述できる記憶。教科書の知識や個人的な体験など、言語で説明できる記憶のこと。この記憶を定着させるうえで、睡眠は欠かせないものの一つ。
一般に長期記憶は陳述的記憶と非陳述的記憶に分けられ、陳述的記憶は言葉で示される記憶という意味で、さらにエピソード記憶と意味記憶に分かれる。


テアニン(テアニン、Theanine)
玉露茶から見つけられ、緑茶の風味増強のために食品添加物として使われている。飲んだテアニンは脳内の神経伝達物質であるドーパミンを増やす働きがあるといわれている。睡眠の効率が改善し、睡眠中の疲労回復がスムーズに進行して、起床時のリフレッシュ感をより強く感じるようになる。


手続き記憶(てつづききおく、Procedural memory)
自転車の乗り方や熟練工の技能などのように、同じ経験を繰り返すことにより形成される記憶。一般的に、記憶がいったん形成されると自動的に機能し、長期間保たれる。睡眠による定着効果もあるとされる長期記憶の一種。
手続き記憶は言葉で簡単には説明できないことが多く、意識しなくとも使うことができる。いわゆる「体が覚えている」状態である。


デルタ波(でるたは、Delta wave)
脳波はδ(デルタ)波、θ(シータ)波、α(アルファ)波、 β(ベータ)波の4つに分類されるが、そのうち、4Hz未満の周波数の脳波のこと。高振幅の脳波であり、徐波睡眠と関連づけられている。 ノンレム睡眠時のステージIV(睡眠段階4) と呼ばれる睡眠時に最も頻繁に検出され、そのステージでは、計測される脳波の50%以上になるとされる。


盗汗(とうかん、Night sweating)
寝汗のこと。そもそも寝汗は体温調節のための正常な生理反応だが、一般的な寝汗とは少し異なり、起きたときに頭痛や倦怠感を伴ったり、ベタベタとした感触のある病的な寝汗をかいたりするケースがある。これを盗汗と呼び、漢方医や一部の医師は健康的な寝汗と区別している。人間が体内の水分を補給しない状態で汗をかくと、他の体液の水分を盗んで汗にしてしまうことにつながり、こう呼ばれている。
体から水分が奪われると、体調が不安定になったり病気を誘発するおそれがあったりするので、病気のサインとしても考えられる。


冬季うつ病(とうきうつびょう、Winter season depression)
冬に気分の落ち込む心の病。冬季の日照量の不足が最大の原因とされる。日が短くなる秋から冬にかけて強まり、春になると自然と回復する季節性があり、20〜30代の女性に多い。冬に、気分の落ち込み、楽しめない、疲れやすい、活動量が低下する、眠気が強くなる、甘いものが欲しくなる傾向のある人は注意したい。
日射量不足で脳内にどのような変化が起こってうつ病になるのかは、まだ十分に解明されていない。ただし、日照量の変化の伴うメラトニンの分泌量と、脳内の神経伝達物質の1つであり、うつ病の直接的な原因と考えられるセロトニン不足などが影響していると考えられる。なお、冬季に限って気持ちが落ちこむ場合でも、冬季だけ外部環境が変わるなど別の原因が明確な場合は、冬季うつ病とは呼ばない。


動睡眠(どうすいみん、motion sleep)
動睡眠とは、赤ちゃん(新生児・乳児)の睡眠で、レム睡眠(体の睡眠で脳は働いている)の原型にあたる睡眠のことである。レム睡眠の時のように、 眼球がきょろきょろと動く。また、表情がとても豊かで、体の動きも大人とは比べものにならないほど大きく見られる。
レム睡眠とノンレム睡眠は脳波の違いにより識別されるが、新生児や乳児の頃はまだこのような脳波にはなっておらず、眠りは「動睡眠」「静睡眠」「不定睡眠」の3種類に分けられる。


特発性過眠症(とくはつせいかみんしょう、idiopathic hypersomnia)
特発性過眠症の歴史は浅く、その診断基準もあいまいである。主な症状は日中の眠気。昼間に1時間以上の居眠りがあり、目覚めさせるのが大変で目覚めたときに寝ぼけが続くこともある。情動脱力発作は起こらない。


時計遺伝子(とけいいでんし、Clock gene)
概日リズム体内時計サーカディアンリズム)をつかさどる遺伝子群のこと。ほ乳類の生命現象には多くの概日リズムが認められ、人間では呼吸、血圧、体温、メラトニン分泌、睡眠・覚醒などが概日リズムを示す代表的な生理現象であり、時計遺伝子はこれらの概日リズムを規定している。
ほ乳類では脳の視床下部に、視交叉上核という体内時計の中枢があり、この核のなかで、体内時計に関連するいくつかの時計遺伝子が複雑に作用し、生活のリズムをつくり出している。なお、視交叉上核だけでなく、腎臓、肝臓、心臓、皮膚、口腔粘膜などにおいても同様の遺伝子群が発現し、また発振していることが明らかにされている。


内因性睡眠障害(ないいんせいすいみんしょうがい、intrinsic sleep disorder)
睡眠障害の国際分類では、「睡眠変調症、睡眠随伴症、内科・精神科的障害に伴う睡眠障害」という3分類があり、このうち、睡眠変調症に関しては、「内因性睡眠障害、外因性睡眠障害、概日リズム睡眠障害」に分類される。 内因性睡眠障害とは、精神生理的不眠症(神経質性不眠症,一次性不眠症)、ナルコレプシー反復性過眠症(周期性傾眠症)、睡眠時無呼吸症などが含まれる。つまり、睡眠障害の原因が身体のなかにある場合と考えてよい。 たとえば、精神的なストレスにより眠りにくくなっている場合や骨折などの痛みにより眠れないケースもあり、それらは原因を取り除くことで解消されるケースも少なくない。


ナノ・ナップ(なの・なっぷ、Nano nap)
睡眠不足がたまりすぎて、脳の神経細胞が壊れてしまう限界まできたときに、「マイクロ・スリープ」という現象が起きる。 起きているつもりでも一瞬ガクッときたり、目を開けているのに呼びかけに反応しなかったりしたとき、マイクロ・スリープが起きている。 意志に反してでも脳の働きを短時間止めることで、脳細胞を守っている。これを意識的に取るのをナノ・ナップという。


ナルコレプシー(なるこれぷしー、narcolepsy)
代表的な過眠症のひとつである。居眠り病とも呼ばれ、思春期から青年期に多発する。耐えることができない突然の眠気に頻繁に襲われる病気であり、その眠気は強烈で1対1で商談をしている最中や食事をしているときなど、通常では考えられないシチュエーションにおいてさえも居眠りをしてしまう。金縛りや睡眠時の幻覚、興奮したときに筋肉の力が突然抜けてしまう発作(情動脱力発作)などの症状を伴うことが多い。欧米ではモダフィニルという薬がナルコレプシー治療薬として用いられている。ナルコレプシーの詳細はこちらから。


ナルコレプトイド性格変化(なるこれぷといどせいかくへんか)
ナルコレプシーの患者は、長期の日中の眠気や居眠りのために日常生活で挫折を繰り返し、自信を失い、劣等感にとらわれがちだといわれる。そのため、長期間のうちに、「物事にこだわらない、自己主張の少ない、人のよい、親しみやすい、張りのない、あきらめやすい」といった性格が形成される。これをナルコレプトイド性格(narcoleptoid personality)変化と呼ぶ。


日内変動(にちないへんどう、Diurnal variation)
脳にある体内時計によってコントロールされた体温や心拍、血圧などの数値のほか、覚醒・睡眠のリズムが1 日のなかで変動すること。
うつ病では大きく感情や意欲、思考といった精神症状と、睡眠障害、疲労感・倦怠感、食欲不振などの身体症状があり、また、これらの症状が1日のうちで時間とともに変化するのも特徴だ。多くの場合は朝が最も症状が悪く、夕方にかけて回復していく。


日中不安(にっちゅうふあん、anxiety of day)
作用時間の短い睡眠薬は、日中に作用がきれて、反跳性に不安が増大することがあり、これを日中不安という。


入眠儀式(にゅうみんぎしき、Falling sleep ceremony)
入眠とは「眠りにつくこと、意識が覚醒した状態から睡眠の状態へ移行すること」だが、乳児は寝る際に、毎日同じこと(儀式)をやってあげるとよく眠りにつくことが知られている。このようなことを一般に入眠儀式という。
けっしてむずかしい儀式というわけではなく、まず、寝る時間、就床時刻を一定に保つこと。そのうえで、乳児ではお風呂やマッサージ、静かな環境で子守唄を聞かせたり、読み聞かせをしたりすることだ。そうやって、乳児が自分自身で眠っていける習慣をつけることが大切である。


入眠障害(にゅうみんしょうがい、difficulty falling asleep)
床に就いてもなかなか寝付けない状態が頻繁におこる症状。医療機関への相談件数も含め、不眠の訴えの中では、最も多い睡眠障害のひとつである。診断としては、就床後1時間以上眠れない場合が目安となる。


入眠時幻覚(にゅうみんじげんかく、hypnagogic hallucinations)
寝入りばなに、現実と錯覚するほどの鮮明で生々しい幻覚をみること。その幻覚は、「恐ろしい生き物がのしかかってくる」「融体離脱のような感覚」など、あまり好ましくないものが多い。あまりにもリアルなため、霊現象と信じ込む人が多いが、医学的に証明された現象である。健常人でもストレスが溜まったり、睡眠不足などの場合に体験することがあるが、代表的な過眠症のひとつであるナルコレプシーの特徴的な症状としても知られている。入眠時幻覚と睡眠麻痺を同時に発症することも少なくない。


入眠時心像(にゅうみんじしんぞう、Falling sleep image experience)
寝入りばなの入眠期に、幾何学模様や色のついた光線、静物など、見たこともない不思議なものが見えたり聞こえたりすること。急に体が浮き上がったり、落下するように感じられたりすることもある。
テトリスを長時間プレイした経験をもつ人の多くは、眠りについたときに、テトリス図形が落下していく夢を見ることもある。これはテトリス効果と呼ばれ、入眠時心像体験の一種とされる。


入眠時レム睡眠期(にゅうみんじれむすいみんき、sleep-onset REM period)
睡眠ポリグラフを記録しながら寝入りばなの睡眠活動を調べ、入眠後15分以内にレム睡眠が生じた場合に、入眠時レム睡眠期という。通常、入眠期はノンレム睡眠から始まるため、寝入りばなにレム睡眠が認められるかどうかを調べることによりナルコレプシーの鑑別診断に役立てることができる。


入眠潜時(にゅうみんせんじ、Sleep onset latency)
入眠潜時とは、覚醒状態から眠りに入るまでの所要時間のこと。眠気の強さや寝つきの良し悪しを示す客観的指標として使われる。
覚醒状態から睡眠状態に移る際、覚醒状態、睡眠段階1睡眠段階2睡眠段階3睡眠段階4と、段階を踏んで眠りが深くなる。睡眠段階1の所要時間(覚醒状態から睡眠段階2に入るまでの所要時間)を入眠潜時とする。


寝入りばな(ねいりばな)
国語辞書的には、「寝ようとするとき、また寝ようとして横になって間もなくのとき」のこと。同義的な用語として「寝しな」「寝ぎわ」という言葉もあるが、「寝しな」「寝ぎわ」は、寝ようとするときの前後のしばらくの時間帯のことで、まだ寝入っていない場合もある。一方、「寝入りばな」は、文字どおり寝入って間もないときを表わす。ナルコレプシーにおいても、この寝入りばなに現れる金縛りのような症状である睡眠麻痺や、寝入りばなの夢体験による入眠時幻覚が主な症状の一つともなっている。


寝返り(寝返り、toss about)
寝たままからだの向きを変えること。赤ちゃんの場合は仰向けから腹這いになることで、早くて2〜3か月くらいから始まる。大人の場合も血行を促す効果があり、睡眠の質を高めて熟睡するためには欠かせない動作で、個人差はあるものの、一晩に20回くらいは寝返りするという。


寝言(ねごと、sleep talking)
睡眠中に本人の自覚がないままに発声する言葉。寝言は生理的にも起こる現象であるが、高熱でうなされているとき、ストレスが溜まっているときなどにしばしば認められる。病的には睡眠随伴症のひとつであり、睡眠時無呼吸症候群レム睡眠行動障害睡眠時驚愕症などで認められることもある。


寝だめ(ねだめ、Catch up on my sleep)
一般に、睡眠不足になりそうなことを予測して、あらかじめ十分に寝ておくこと。
寝だめができるかどうかは、その種類によるとされる。寝だめには、とるべき睡眠を前もってとっておき、そのぶんだけ睡眠時間を短くする「先取り睡眠」と、過去の睡眠不足を解消するために、週末などにまとめて睡眠をとる「補充睡眠」の2種類がある。このうち、先取り睡眠をすることは不可能で、補充睡眠をすることは可能だが、体内時計のリズムを崩しやすいとされている。


寝ちがえ(ねちがえ)
睡眠中に無理な姿勢を取ったり、無理な首の動かし方をしたりすることによって首の筋肉に負担がかかり、筋違えを起こして筋肉痛に似た痛みが生じる症状である。症状は軽い場合から重い場合まで様々である。


熱性発汗(ねっせいはっかん、Thermal sweating)
温熱性発汗とは、気温の上昇などに伴って体温が上がるのを防ぐ汗のこと。体温調節のためにエクリン腺から汗が分泌されることで、生命の維持には欠かせない生理現象である。自律神経の働きが低下して温熱性発汗が行われないと、熱中症(熱射病、日射病)などになってしまう。
入眠後は体温が低下するが、発汗中枢における体温のセットポイントも低下するため、温熱性発汗が促進される。発汗量は睡眠の深さにも関係していて、一般に睡眠が深いほど発汗量が増加する。特に入眠期、いわゆる寝入りばなに多量の汗をかくことになる。


寝ぼけ(ねぼけ、Half-asleep)
辞書的には「寝ぼけること。また、その人」のことで、症状としての寝ぼけは、よく子どもに起こる。多くは害の無いものだが、 程度がひどい場合は本人や家族が困ることもあり、深刻な病気ということもある。
大人の寝ぼけで特に問題になるのは、レム睡眠中の起きるレム睡眠行動障害(RBD)だ。症状は特定されなくても、本人は覚えていない夜に「大声で叫ぶ」「四肢に力を入れすぎ、体がくたくたになる」など睡眠中に異常な行動をするケースがある。また、寝ぼけ症状の原因として、睡眠時無呼吸症候群周期性四肢運動障害など、睡眠を浅くする病気が隠れていることもある。


眠気(ねむけ、sleepiness)
眠気とは「睡眠した状態に入る前の現象で、意識レベルが低下し、外的刺激に鈍感になっている状態」を指すが、この日中の眠気を診断する診断法に「エプワース眠気尺度」というものがある。
「座って本を読んでいるとき」「テレビを見ているとき」「人の大勢いる場所でじっと座っているとき(会議や映画館など)、」「他の人が運転する車に乗せてもらっていて、1時間くらい休憩なしでずっと乗っているとき、」「午後じっと横になって休んでいるとき」「座って人とおしゃべりしているとき」「お昼ご飯のあとに静かに座っているとき」「自分が車を運転していて、数分間信号待ちをしているとき」といった8つのケースについて「居眠りしてしまうことは?」と質問し、「ない(0)、ときどきある(1)、よくある(2)、いつも(3)で答える。とくに全体で11点以上ある人は、何らかの睡眠障害の可能性もあり、要注意といえる。


脳波(のうは、electroencephalogram)
脳の活動によって発生する電気シグナルを、頭皮上などに電極を設置し記録したもの。臨床検査方法のひとつであり、過眠症をはじめとする睡眠障害の診断や検査においても用いられる。


乗り物酔い(のりものよい、Motion sickness)
船、自動車、電車、飛行機などの乗り物に乗っているときに、むかつき、冷や汗、顔面蒼白、吐き気などが起こり、悪化したときは嘔吐にいたる状態。
乗り物がもたらす連続的な加速度刺激が内耳に加わり、この刺激と他の刺激(たとえば眼に映る景色などの視覚刺激、体の筋肉で感じる知覚など)と調和がとれなくなり、感覚に混乱が生じるために起こると考えられている。
防止するには睡眠が大事で、乗り物に乗る前日にはよく眠り、早朝の出発の際は2〜3時間前から起きて頭をすっきりさせておく。また、出発前に軽く食事をとったり、あらかじめ酔い止めの薬をのむことが効果的。症状が重いときには、乗り物から降りる以外に症状を収める方法はない。


ノンレム睡眠(のんれむすいみん、non-REM sleep)
大脳を鎮静化させるための眠り。眠りの深さでステージ1から4までの4段階に分けられる。睡眠時に最初に現れるのがノンレム睡眠で浅い眠りから徐々に深い眠りになり、その後徐々に眠りが浅くなりレム睡眠に移行する。このノンレム睡眠とレム睡眠をおよそ90分周期で繰り返す。ノンレム睡眠時には全身の骨格筋の緊張はある程度保持されている。


歯軋り(はぎしり、sleep bruxism)
睡眠中の無意識な顎運動により歯を強くこすり合わせることで生じる雑音のこと。発症原因は不明であるが、睡眠中に歯軋りをする人の割合は少なくない。歯軋りがひどいと、歯の磨耗や顎関節障害などを起こすことがある。


早寝(はやね、keep early hours)
「夜、早い時刻に寝床に就くこと」で、通常は「早寝早起き」(go to bed early and get up early)と早寝と早起きがセットになっている。このうち睡眠の質を高めながら早寝の習慣を身につけるには、30分ずつなど徐々に早寝に身体を慣らしていく、夜になったら部屋を暗くして身体を馴染ませる、夜にはテレビやパソコン、スマートフォンを見たりすることを控えるなどが大切とされる。


パルスオキシメータ(ぱるすおきしめーた、Pulse oxymeters)
血液中のヘモグロビンのうち酸素と結びついているヘモグロビンの割合(血中酸素飽和度=SpO2)を測定・表示する医療機器。また、脈拍数なども同時に測定表示する機器も一般的となっている。
睡眠に関しては、よく睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングに使用する。夜に眠っている間の血中酸素飽和度を記録することで、低酸素血症の発作の回数や血中酸素飽和度が低下する時間を測定することになる。


パワー・ナップ(ぱわー・なっぷ、Power nap)
パワー・ナップ とは、一般的に15〜30分程度の短い仮眠のことである。コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マースによる造語である。
時間あたりに対する睡眠の効用を最大化する睡眠法とされており、通常の睡眠の不足分を補うために用いられている。特に睡眠不足が蓄積してしまっている人に効果的といわれている。


半覚半睡(半睡半覚)状態(はんかくはんすいじょうたい、Half asleep and half awake)
意識は覚めているがはっきりと覚醒している状態ではなく、また眠ってはいないのが少し眠っているかのような意識の状態。文字どおり半分眠って半分起きている “うつつ”の状態のこと。
気功ではこの状態になると、脳波はアルファ波からさらに深まり、大脳が休まり、脳の血流も良くなり、自律神経の副交感神経が働き、身心ともに深く休まるとされる。この状態に入ることが全身の気血の流れをよくすることにつながり、重視されている。


反跳性不眠(はんちょうせいふみん、rebound insomnia)
ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用することによって改善し、ほぼ満足できる睡眠が得られるようになった段階で、突然服用を中止すると服用前より強い不眠が現れるようになる。これを反跳性不眠といい、一般に作用時間の短い薬剤ほど出現しやすい。


反復睡眠潜時検査(はんぷくすいみんせんじけんさ、multiple sleep latency test)
ナルコレプシーなどの過眠症の診断に、最も幅広く用いられている検査方法である。日中の眠気を客観的に評価するもので、唯一標準化された信頼性が最も高い検査方法である。一般的には終夜睡眠ポリグラフを実施した後の日中に測定する。睡眠ポリグラフの記録をとりながら、消燈から寝入るまでの時間(睡眠潜時)を測定する。4−5回試行を反復し、睡眠潜時の平均値を算出して、眠気の重症度の指標とする。


反復性過眠症(はんぷくせいかみんしょう、recurrent hypersomnia)
周期性傾眠症ともいう。多くは青年期に発症し、過眠状態が昼夜を問わず数日間から2週間程度続く状態を不定期に繰り返す。


反復性臍疝痛(はんぷくせいさいせんつう、Recurrent Abdominal Pain)
2歳以下の乳幼児の場合は急性胃腸炎などの体の病気が腹痛の原因であることが多いのだが、以降の幼児・小学生くらいの子は体の病気がなくても突然おなかの痛みを繰り返していることがある。このように、特段の異常や疾患がなく腹痛が繰り返すことを反復性腹痛と呼び、この腹痛はへその周辺に多いため、反復性臍疝痛とも呼ばれる。
腹痛の持続時間は数分から数時間で、顔面蒼白、頭痛、吐き気を伴うこともある。特別な治療は必要ないが、精神的ストレスが原因として考えられるので、ストレスや不安のもとを解消し、十分に寝て睡眠不足や睡眠障害などが起こらないような安定した生活をさせることが大事だ。


微小睡眠(びしょうすいみん、microsleep)
マイクロスリープともいう。覚醒時にごく短い時間(数秒)睡眠状態となることをいう。非常に短い睡眠なので本人は眠ったことを自覚していないが、脳は瞬間的に睡眠状態なので作業ミスにつながりやすい。過度の睡眠不足状態で出現しやすいため、長距離運転手などで眠気を感じた際には、交通事故を防止するためにも仮眠をとるべきである。


ヒスタミン(ひすたみん、histamine)
ヒスタミンは肥満細胞や好塩基球などに存在し、アレルギーや炎症に関与している。また、脳内にはヒスタミン神経が存在し、神経伝達物質として様々な働きをしている。特に、視床下部後部に位置する結節乳頭核はヒスタミン神経細胞の起始核であり、覚醒(目覚めの状態)を促進する働きがある。アレルギーにヒスタミンが関与しているので、花粉症などの治療薬は抗ヒスタミン薬が主体であるが、脳内のヒスタミン神経の働きも抑制してしまうので、覚醒作用が抑制され眠気が生じやすくなる。


ヒト白血球抗原(ひとはっけっきゅうこうげん、human leukocyte antigen)
英語の頭文字をとって、HLAと呼ばれる。白血球の血液型のこと。白血球の血液型は赤血球の血液型とは比較にならないほど種類が多い。日本人のナルコレプシー患者のすべてが、DQB1*0602という型をもっていることが明らかとなっている。


非24時間睡眠・覚醒障害(ひにじゅうよじかんせいすいみん・かくせいしょうがい、non-24-hour sleep-wake disorder)
覚醒と睡眠の周期が24時間ではなく25時間近くになっているため、毎日の起床時間と就寝時間がおよそ1時間ずつ後ろにずれていく。このために、自らの意思で規則正しい生活を送ることができない。


ヒポクレチン(ひぽくれちん、hypocretin)
ヒポクレチン(hypocretin)は1998年に発見された新しい神経ペプチドである。別名オレキシン(orexin)ともいう。摂食中枢として知られる視床下部外側野とその周辺に局在し食欲を亢進させる働きがある。また、睡眠―覚醒サイクルにおいて重要な働きをしていることがわかり、ナルコレプシーの病態に深く関与していることが明らかとなっている。


不穏(ふおん、Restlessness)
不穏とは、情動不安や落ち着きのないことをいう。ベンゾジアゼピン系睡眠薬を精神障害者に投与したときに現れることがある。


副交感神経(ふくこうかんしんけい、parasympathetic division)
自律神経の一つで、交感神経とともに全身の皮膚、血管、内臓諸器官の腺細胞や平滑筋細胞に分布する。多くの場合、主に活動時にはたらく交感神経とは逆の方向に作用し、副交感神経がはたらくのは、睡眠中、リラックスしている時、ゆったりと落ち着いている時。昼間の活動によってたまった疲れや、体に受けたダメージを、副交感神経に切りかわった睡眠中に回復させる役割を持つ。


不随意運動(ふずいいうんどう、involuntary movement)
自分の意思とは関係なく勝手に筋肉が収縮し動く運動のこと。パーキンソン病など不随意運動を特徴とする疾患が数多く知られている。周期性四肢運動異常症では、四肢の不随意運動により睡眠が著しく障害される。


不適切な睡眠衛生(ふてきせつなすいみんえいせい、inadequate sleep hygiene)
十分な質の高い睡眠を得るように心がけ実行することを睡眠衛生という。この睡眠衛生が不適切なものになると、すなわち起床時間や就寝時刻が不規則、就寝前のカフェインやアルコールの摂取、寝心地の悪い寝具の使用などの不適切な睡眠衛生が過眠や不眠などの睡眠障害の原因となっている場合がある。


不眠恐怖(ふみんきょうふ、Sleeplessness fear)
神経質性不眠、精神生理性不眠症などと呼ばれる不眠で見られる状態。不眠によって「今日もまた眠れないのではないか」と恐怖感を感じるほどになり、不眠恐怖が生じて緊張や睡眠状態へのこだわりが深刻になると、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥る。
いわゆる神経質の人に多いとされるが、睡眠薬に対してネガティブなイメージを抱いていて、自分で勝手に服薬を中断し、反跳性不眠により眠れなくなっている場合もある。


不眠症(ふみんしょう、Insomnia)
「寝つきが悪い」などといったとき、「安眠できない。不眠症かも?」といった表現をつい使いがちだが、日本睡眠学会では不眠症を次のように定義している。
・夜間なかなか眠ることができず、寝つくのに2時間以上かかる「入眠障害」
・いったん寝ついても、夜中に2回以上目が醒める「中間覚醒」
・朝起きたときに、ぐっすり眠った感じが得られない「熟眠障害」
・朝いつもよりも2時間以上早く目が醒めてしまう「早朝覚醒」
などのいずれかの不眠の状態があり、これらの不眠の状態が、「週2回以上」見られ、かつその状態が「少なくとも1か月間 」は続き、さらに、こうした状態によって自分自身が苦痛を感じるか、社会生活や仕事が妨げられること、としている。一時的なストレスや苦痛のため、夜よく眠れないような状態が誰にでもあるものだが、これは厳密には不眠症とはいわない。


プラダー・ウィリー症候群(ぷらだー・うぃりーしょうこうぐん, Prader- Willi syndrome)
プラダー・ウィリー症候群とは、筋緊張低下、性腺発育不全、知的障害、肥満を四徴とする症候群である。四徴の頭文字をとってHHHO症候群ともいう。およそ15,000人に1人が発症すると言われている。
発症による睡眠障害がよく報告されており、レム睡眠潜時の低下、睡眠構築の変化、酸素飽和度の低下、中枢性および閉塞性無呼吸がみられる。一部のプラダー・ウィリー症候群の患者はナルコレプシー等の異常な日中の眠気がある。


フリーラン(ふりーらん、free-run)
体内時計の説明でよく用いられる用語。光刺激などの体内時計が同調する因子からの影響を受けることなく、固有の周期でリズムが現れている状態。


ブルーマンデー症候群(ぶるーまんでーしょうこうぐん、Blue Monday syndrome)
月曜の午前中は仕事のミスが多い、休日明けの月曜日は職場に行くのが億劫になるなどの症状。こうした状態がひどくなると、日曜日の夜には意識しすぎのためか熟眠困難を起こし、月曜日の朝には動機や頭痛によって仕事に行けなくなってくる。
ブルーマンデー症候群を乗り越えるには、日曜日に寝だめしようとはせずに適度な運動をしたり、早めに起きて日差しを浴びたり、予定があるなら出かけたり、月曜日は1週間の始まりとばかりに力まず肩の力を抜いて気楽に構えたりすることも大切だ。


閉経時不眠症(へいけいじふみんしょう、Menopause insomnia)
40歳代後半から50歳代前半には多くの女性は閉経し、その前後10年ほどは更年期と呼ばれているが、その更年期に起こりがちな不眠症。一般に、更年期に入ると、のぼせ、ほてり、めまい、肩こり、不眠など、いわゆる更年期障害と呼ばれるさまざまな症状が現れ、その時期に、入眠障害や中途覚醒といった睡眠に関する症状もよく現われる。更年期に入り女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少すると、エストロゲンの分泌をつかさどる視床下部が混乱し、自律神経のバランスまで崩れてしまうことが原因と考えられている。
早朝に目が覚める、手足が冷えてなかなか眠れない、夜間に急にのぼせる(ホットフラッシュ)、寝汗で目が覚めるなどがあり、不安やあせり・更年期うつなどが絡むと、より不眠の症状は重くなるといわれる。


閉塞型睡眠時無呼吸症候群(へいそくがた・すいみんじ・むこきゅうしょうこうぐん、obstructive sleep apnea syndrome)
睡眠中に一時的な呼吸停止を繰り返す病気を睡眠時無呼吸症候群と呼びます。なかでも、肥満などが原因で睡眠中に上気道が狭くなることによる起こるものを閉塞型睡眠時無呼吸症候群といい、罹患率の高い病気です。大きないびきが特徴的な疾患です。通常、睡眠時無呼吸症候群といえば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群のことを指しています。睡眠時無呼吸症候群の詳細はこちらから。


ベータ波(べーたは、Beta wave)
覚醒時の精神活動が活発なときに現れる14〜30ヘルツの波。比較的高い周波数帯域の脳波。いわば、眠気を感じることなく何かに集中して取り組むときに向いている脳波ということになる。
ただし、β波はイライラしている時にも確認できるため、興奮しすぎていると思う場合はリラックスしたほうがよい。


偏頭痛(へんずつう、Migraine)
頭の片側(時に両側)が、ズキンズキンと脈打つような強い痛み(拍動性頭痛)に襲われ、このような痛みが月に1〜2回、多い人では週に1〜2回発作的に起こり、数時間から3日間ほど続く。頭痛に伴って、吐き気がしたり、実際に吐いたり、また、光や音に過敏になったり、体を動かすと痛みがひどくなるため、寝込んでしまうこともある。
片頭痛の痛みは、休息や睡眠により和らぐ。また、発作が治まると次の発作が起こるまで、まったく症状がみられなくなる。


ベンゾジアゼピン系睡眠薬(べんぞじあぜぴんけいすいみんやく、Benzodiazepine-based sleeping drug)
1960年代に開発された薬で、現在、使用される睡眠薬はほとんどがこの系の薬である。作用機序では「GABA」と呼ばれる物質が重要で、GABAは中枢神経系を抑制する代表的な脳内神経伝達物質であり、ベンゾジアゼピン系薬物にはGABAの脳内作用を増強する働きがある。GABAの脳内作用を増強すると脳内の活動はスローダウンし、それが心の不安、緊張を和らげ、眠気をもたらす。
従来のバルビツール酸系睡眠薬に比べると副作用は軽微とされているが、いずれにせよ睡眠薬は薬の種類によって作用時間・特性が異なるので、医師の指導のもと、症状に合った薬の服用が重要である。



ホットフラッシュ(ほっとふらっしゅ、Hot flush、Hot flash)
突然、体が火照ってきて大量の汗が噴き出てくること。血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経の乱れが原因とされる。自律神経が乱れる原因は、卵巣の機能が低下して女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少しているからとされ、更年期の症状に多い。会話中や目覚めた時、寝入りばななど周囲の環境や自分の意識とは関係なく起こる。
ホットフラッシュが起きたときには、首筋にウェットティッシュをあてたり、 体温調節をこまめに行ったりするとよい。長期的にはホルモン補充療法、漢方薬の服用、サプリメントの利用などが有効とされている。


マイクロスリープ(まいくろすりーぷ、microsleep)
微小睡眠ともいう。覚醒時にごく短い時間(数秒)睡眠状態となることをいう。非常に短い睡眠なので本人は眠ったことを自覚していないが、脳は瞬間的に睡眠状態なので作業ミスにつながりやすい。過度の睡眠不足状態で出現しやすいため、長距離運転手などで眠気を感じた際には、交通事故を防止するためにも仮眠をとるべきである。


マグネシウム(まぐねしうむ、magnesium)
人体に必要なミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ。 体内に吸収されにくいカルシウムの吸収を助ける他、不眠症に効果があり、脳神経系を鎮静させたり、ストレスに強い体質にしたりする働きがある。


慢性不眠症(まんせいふみんしょう、Chronic insomnia)
一般論で言うと、8週間を超えても不眠症の症状が継続して治らない状態のこと。特に、不眠症の症状だけでなく、不眠による不安や苦しみが続く、悪夢をよく見る、日中の眠気が強い、集中力が落ちてケアレスミスが多いなどの症状が日中にみられることが続くような場合には、専門的な治療が必要なことがある。
原因によっては、睡眠薬が不眠症の症状を悪化させることもあり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を患っている人では、慢性不眠症によって血圧や血糖値が上昇することがしばしばある。


ミオクローヌス症候群(みおくろーぬすしょうこうぐん、Myoclonic syndrome)
周期性四肢運動障害のこと。周期性四肢運動障害とは睡眠時に足の筋肉に起こる周期性のけいれん運動のことであり、手や脚が瞬間的にけいれんするだけではなく、ピクピクするという症状も含まれる。そのため深い眠りが妨げられて眠りが浅くなり、途中で目覚めやすくなる(中途覚醒)ため、不眠の原因となる。
寝入りばなの浅いノンレム睡眠時に起こりやすく、症状としては中高年、また透析患者に多いとされる。


ミッド・アルファ波(みっど・あるふぁは、Mid alpha wave)
人の脳波によって睡眠の程度を測定することはよく知られているが、その脳波α波β波θ波に大別され、さらにα波は3種類に分類される。その3種類のα波のなかでもミッドα波は9Hz〜11Hzの波で、この脳波の状態のときは誰でもリラックスしながら意識を集中できる状態にあり、俗に「最高の実力を発揮できる状態」とされている。


夢幻様行動(むげんようこうどう、Dreams and phantasms-like action)
レム睡眠中に起こるを見ているような行動のこと。
人間のほかにも、たとえばネコで、筋肉の緊張状態が低下しないままレム睡眠中のPGO波(レム睡眠中にレム睡眠の中枢で発生し、視床の外側膝状体、後頭葉で記録される電位変化)が発生すると、突然首を持ち上げ、何かを見つめるように首を上下左右に動かしたり、歩き回ったり、覚醒中に見せる攻撃や怒りの姿勢を示すことがある。


むずむず脚症候群(むずむずきゃくしょうこうぐん、restless legs syndrome)
レストレス・レッグズ症候群とも呼ばれる。夕方や夜間の安静時に、手足に「むずむずする」「虫が這うような不快感」などの表現し難い異常感覚が起こる。そのために、じっとしていることができなくなり、入眠することが難しくなり夜間の不眠が大きな問題になる。また、睡眠不足により日中に眠気が起こりやすくなる。その原因は十分に解明されておらず、治療方法も確立されていないが、近年ドパミン系の作動薬が治療薬として注目されている。


夢中遊行(むちゅうゆうこう、sleep walking disorder)
夢遊病とも呼ばれ、幼稚園から小学校までの子どもの約15%にみられるとされる症状。ノンレム睡眠から生じる寝ぼけで、現在は睡眠時遊行症と呼ばれることが多い。
眠っている状態から起き上がり、ぼんやりとしたまま歩き回る。覚醒しにくく、その一方で夢を見る体験は伴わないケースが多い。また近年は、幼稚園から小学校までの子どもだけでなく、20代や30代になっても症状が引き続く場合があることもわかってきた。


夢魔(むま、Nightmare)
夢の中に現れて人を苦しませる悪魔のこと。転じて、不安や恐怖を感じさせる夢、悪夢のことを夢魔ということがある。本来は人間が寝ている間に夢に現れて性交を行う妖精のことで、それをキリスト教の視点に立てば悪魔ということになる。
睡眠の観点からすると、主に小児期にみられる悪夢で、レム睡眠期に生じる不快な夢、恐ろしい夢によって、恐怖にかられて眠りから目覚める状態を言う。同じような現象にノンレム睡眠期に生じる夜驚症がある。
大人でも睡眠薬の服用中に現れることもある。


明晰夢(めいせきむ、Lucid dreaming)
自分で「である」と自覚しながら見ている夢のこと。夢の世界は通常、脳が勝手につくり出しているものだが、明晰夢では眠っていながら自分の意識を取り戻し、夢の世界を自分の好みに応じてコントロールできるようになるとされる。
子どものころから明晰夢を見る人はいるが、一方で夢の世界で思いどおりにできるためか明晰夢を見るようにトレーニングすることも行われている。


迷走神経(めいそうしんけい, Vagus nerve)
迷走神経とは、第10脳神経で、延髄から出て頭部や頸部,胸部,腹部 (骨盤を除く) のすべての内臓に分布して、感覚、運動、分泌を支配している。その大部分の線維は食事中や睡眠時など、体がゆったりとしている時に働く副交感神経である。脳神経でありながら腹部にまで達しており、その末梢分布が複雑でわかりにくかったので、迷走という名がつけられた。


メラトニン(めらとにん、melatonin)
睡眠などの生体リズムに関与するホルモンと考えられており、脳内の松果体という部分から分泌される。メラトニンの分泌にはサーカディアンリズムがあり、夜間に分泌が高まり、日中に分泌が低下するという特性がある。時差ぼけやサーカディアンリズム障害に有効とされているが、大規模な臨床試験における有用性の報告はない。


もうろう状態(もうろうじょうたい、twilight state)
意識障害の一つで、軽い意識の混濁があり、外界を認知できるが、意識する範囲が狭くなっていて全体の把握ができず誤認や錯覚がある。そのため、状況にそぐわない異常行動も伴うこともあり、回復後にその間のことを十分に追想することができない。


モダフィニル(もだふぃにる、modafinil)
モダフィニルはフランスで開発された覚醒促進作用を有する化合物で、欧米でナルコレプシーの治療薬として第一選択薬に位置づけられている。国内では、2007年に「ナルコレプシーに伴う日中の過度の眠気」の効能・効果で承認された。作用機序は十分に解明されていないが、覚醒中枢である結節乳頭核に働き、ヒスタミン神経系を介して大脳皮質を賦活化させることが推察されている。作用時間が長いため、朝1回の服薬で効果が持続する。


持ち越し効果(もちこしこうか、Carring-over effect)
夜寝る前に睡眠薬を服用したら、朝起きた時にはその影響が完全になくなっていることが理想だが、不眠症の症状の重さや年齢、他の病気との兼ね合いなどによって、作用時間が長い睡眠薬を服用すると翌日にも睡眠薬の影響が出る場合がある。それを持ち越し効果という。
睡眠薬の影響が翌日に残ることで、 日中の眠気、集中力の低下、起床時のふらつき、めまい、口の中の乾燥、不快感などが現れる。
高齢者に多く、自動車の運転や危険を伴う機械の操作させないようにすることが大切。対策としては、作用時間の短い薬に変更したり、薬の減量をしたりなどがある。


夜間下肢こむらがえり(やかんかし・こむらがえり、nocturnal leg cramps)
夜間の睡眠中に下肢(主としてふくらはぎ)に起こる筋肉のれん縮で、痛みを伴い通常覚醒する。激しい運動をした場合や高齢者で発生する頻度が高くなると言われているが、発症原因はよく解明されていない。短時間で治まるが、ストレッチで筋をのばすことにより痛みが軽減する。


夜間熟眠障害(やかんじゅくみんしょうがい)
夜間熟眠障害とは、簡単にいうと、夜中に何度も起きてしまうこと。そのため深く眠っている時間が短くなり、「ぐっすり寝た」という熟睡感、爽快感を得られなくなってしまう。また、必然的に睡眠時間が短くなっていく。ナルコレプシー患者は、ほかの人からは昼間に急に居眠りしてしまうように見られ、睡眠時間が長いと思われがちだが、実際の睡眠時間はほかの人とほとんど変わらない。その理由は、この夜間熟眠障害が出てしまうためだとされる。ちなみに、睡眠障害のなかで最も多くみられるのが不眠で、寝つきが悪い(入眠障害)、眠ってから頻回に目覚めてよく眠れない(中途覚醒)、早く目覚めすぎて困っている(早朝覚醒)、休息感が欠如している(熟眠障害)の4タイプがある。


夜間心虚血(やかんしんきょけつ)
睡眠中に心筋の虚血により胸部の圧迫感を伴うこと。何らかの原因で、心筋への血液供給が不足する心虚血が夜間に起こると、その胸部圧迫感によって不眠を起こす。心臓から送られる血液の流れが悪くなってしまうのが心虚血だが、新虚血になると胸に痛みが生じたり、不快感が高まったりする。一般的にこれらの症状は狭心症といわれている。狭心症からさらに心臓の血液が送られなくなると、心筋梗塞を起こす要因ともなる。 夜間に心虚血を起こすと、睡眠障害を引き起こしてしまうこともある。 また、日中に眠ってしまうことで夜に眠れなくなるなど悪循環に陥ると、うつ病などの精神疾患を誘発する要因ともなる。


夜間ミオクローヌス(やかんみおくろーぬす、nocturnal myoclonus)
現在では周期性四肢運動異常症と呼ばれている。睡眠中に手足、特に下肢に不随意運動が周期的に出現する。このために睡眠が妨げられ、日中の過眠が起こりやすくなる。加齢により発現頻度が高まるが、その発症原因は解明されていない。


夜驚症(やきょうしょう、Night terror)
小児によくみられる睡眠障害の一種で、就眠1、2時間後に叫び声など伴って突然目を覚まし、おびえたような表情や動作を示す。睡眠時驚愕症とも呼ばれる。話しかけても反応は鈍く、発作が終わるとすぐに落ち着いて眠り、目を覚ました後はほとんど何も覚えていないなどの特徴がある。発作には通常、激しい発汗を伴う。似た症状を示す睡眠障害に「睡眠時遊行症、夢中遊行症(一般に「夢遊病」と言われる)があり、夜驚症よりも少し年長の子に見られる。 原因は昼間の緊張、興奮、刺激過多、不安など情緒的原因が考えられ、精神運動発作型てんかんによるものもある。多くは発達に伴い自然に治っていく。


夜尿症(やにょうしょう、slep enuresis)
生後の乳児期は昼夜を問わず排尿があるが、生育とともに夜間睡眠中の排尿が消失していく。しかしながら4〜5歳になっても頻繁に夜間の排尿(おねしょ)があるのが夜尿症です。自然治癒が少なくなく、その発症原因は未だに十分に解明されていない。おねしょがなくなった後に、二次的に夜尿症になる場合もある。


(ゆめ、dream)
レム睡眠とは急速眼球運動を伴った睡眠のことをいうが、レム睡眠中、身体的には骨格筋が弛緩した状態にあり、急速眼球運動のほか身体はほとんど動かないが、脳波については覚醒時と同様の振幅を示す。すなわち、外見的には寝ているのに、覚醒時と同じように脳が働き脳波が低振幅化しているので、夢をみるとされている。


夢の理論(ゆめのりろん、Theory of the dream)
「人はなぜを見るのか」という命題を説明したいくつかの理論のこと。「夢は本能的衝動を放散させるために生起する」としたフィッシャー仮説、「記憶の再生と再処理過程で生起する」としたウィンソン仮説のほか、「ある偶発的な視覚映像から出発する連想ストーリー」とした大熊仮説などがある。


夜泣き (よなき、Nightcry、Cry in the night)
夜泣きは、赤ちゃんが急に夜、泣き出す状態で、主に生後5、6か月以降に始まり、1歳半前後まで続く赤ちゃんもいる。すぐに泣きやむケースもあれば毎夜、連続する場合もある。原因は、知能の発達や睡眠・覚醒のバランスの未熟さからくる乱れ、昼間のいろいろな刺激が関係しているようで、かまい過ぎ、言葉のかけ過ぎなどの体験が刺激になって、寝ぼけた状態で泣くのが「夜泣き」だとも言われている。朝起きて夜寝る睡眠のリズムが完成していないため、空腹感や昼間の活動不足のため、母親のイライラのため、などとも考えられる。乗り切るには、赤ちゃんがリラックスできそうなことを探したり、昼間のスキンシップをより豊かにしたり、母親が息抜きしたり、といったことが大切だ。



律動性運動障害(りつどうせいうんどうしょうがい、Rhythmicity motor deficit)
乳児から4歳くらいまでの時期で発症する睡眠障害の一つ。眠る際に首を強く左右にふったり、体を大きく動かしてしまうなど同じ動きを繰り返す症状が現れ、ひどい場合は頭を打ちつけたり体を傷つけてしまうような行動を起こすこともある。
睡眠随伴症の一つと考えられているが、幼児になる頃には症状が消えていくことがほとんどだ。もちろん、睡眠中に乳児自身や添い寝する大人の安全をおびやかすような場合などは、なんらかの対処が必要になる。


レストレス・レッグズ症候群(れすとれす・れっぐすしょうこうぐん、restless legs syndrome)
むずむず脚症候群とも呼ばれる。夕方や夜間の安静時に、手足に「むずむずする」「虫が這うような不快感」などの表現し難い異常感覚が起こる。そのために、じっとしていることができなくなり、入眠することが難しくなり夜間の不眠が大きな問題になる。また、睡眠不足により日中に眠気が起こりやすくなる。その原因は十分に解明されておらず、治療方法も確立されていないが、近年ドパミン系の作動薬が治療薬として注目されている。


レット症候群(れっとしょうこうぐん、Rett Syndrome)
レット症候群とは、ほとんど女児に起こる進行性の神経疾患であり、知能や言語・運動能力が遅れ、小さな手足や、常に手をもむような動作や、手をたたいたり、手を口に入れたりなどの動作を繰り返すことが特徴である。
メラトニンというホルモンの分泌がないため、昼夜の区別がつかず、夜昼となく良く眠り、睡眠パターンが安定しにくい子供が多い。


レム睡眠(れむすいみん、REM sleep)
大脳を活性化させるための眠り。浅い眠りで脳は活発に活動をしているが、全身の骨格筋は弛緩している。レム睡眠時に夢をみることが多い。ノンレム睡眠に続いてレム睡眠が出現し、ノンレム睡眠とレム睡眠をおよそ90分周期で繰り返す。レム睡眠時にはまぶたの下で眼球が急速に動いており、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字をとってレム(REM)と名づけられた。


レム睡眠行動障害(れむすいみんこうどうしょうがい、REM sleep behavior disorder)
睡眠随伴症のひとつ。レム睡眠時には全身の骨格筋が弛緩しているのが普通であるが、この疾患では骨格筋は弛緩せず緊張を保っている。そのため、レム睡眠時に見ている夢に体が応答し、それが睡眠中の異常行動として出現する。暴力を振るったり、走り出したりすることもあり、自身が怪我をするだけでなく家族に怪我をさせてしまうことも稀ではない。高齢者に起こることが多い


レム睡眠反跳(れむすいみんはんちょう、rebound of REM sleep)
睡眠薬としてよく使われるベンゾジアゼピン系誘導体の多くは、長期の服用によってノンレム睡眠の第3、4段回の減少とレム睡眠の抑制を引き起こすことが知られているが、そうした睡眠薬を止めた際に反跳的に起こる強い不眠を反跳性不眠という。また、レム睡眠時のエピソードが延長したり、頻度・密度が増加したりすると、基準以上にレム睡眠の比率が高まることをレム睡眠反跳と呼び、レム睡眠を減少させるような操作や薬物の服用の中止後に起こる。


ロングスリーパー(ろんぐすりーぱー、long sleeper)
ヒトの平均睡眠時間は6から8時間といわれているが、もちろん個人差がある。なかでも、平均睡眠時間が10時間以上必要な人をロングスリーパーという。1日の睡眠が10時間以上確保できないと、日中に過度の眠気が生じるが、生理機能の異常は認められていない。睡眠障害の国際分類第2版では、個体差のように思われるが、未解決な問題とされている。長時間睡眠を伴う特発性過眠症との鑑別が困難なケースもある。


ACTH(Adrenocorticotropic hormone)
脳の下垂体前葉から分泌する下垂体前葉ホルモンの一種で、副腎皮質刺激ホルモンのこと。副腎皮質ホルモンの血中濃度が低下すると,下垂体前葉からACTHが分泌されて副腎皮質を刺激し,副腎皮質からコルチゾル(コルチコステロイド)を含むすべての副腎皮質ホルモンの分泌を促進するとされる。
コルチゾルが分泌されると血糖値や血圧、脈拍が上昇し、持続的なストレスに対処する。そして、ACTHはやがて分解され、睡眠物質となる。そのため、ストレスを受けたあとは眠くなる、ということになる。


BMI(ビー・エム・アイ)
BMIはBody Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略で肥満度の指標として幅広く用いられている。BMIは体重(Kg)/身長(m)/身長(m)で表わします。BMIが大きいと、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高くなることが知られている。


CNS(シー・エヌ・エス)
Central Nervous Systemの略で、中枢神経系のこと。


CPAP(シーパップ)
Continuous Positive Airway Pressureの略で、持続的陽圧呼吸という意味。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の対処療法としてCPAP療法が用いられている。CPAP療法とは、睡眠時に特殊な鼻マスクを装着し常に一定の圧力をかけた空気を送り込むもので、これにより気道を広げ無呼吸を予防することが可能となる。


EDS(イー・ディー・エス)
Excessive Daytime Sleepinessの略で日中の過度の眠気のこと。


EEG(イー・イー・ジー)
Electroencephalogramの略で脳波のこと。


EMG(イー・エム・ジー)
Electromyographyの略で筋電図のこと。


EOG(イー・オー・ジー)
Electrooculogramの略で眼電図のこと。


GABA(Gamma Amino Butyric Acid)
睡眠中枢が担っている神経細胞が持つ、興奮を鎮めたり、リラックスをもたらしたりする役割を果たしている神経伝達物質の一つ。脳に存在する抑制系の神経伝達物質として、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる働きをしている。ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えて、リラックス状態をもたらす作用がある。
また、生後間もない動物の脳には過剰な神経結合(シナプス)が存在するが、発達過程において、必要な結合が強められ、不要な結合は除去され、成熟した機能的な神経回路が完成する。この過程を「シナプス刈り込み」と呼び、このシナプス刈り込みに障害があることで起きると考えられているのが自閉症や統合失調症だが、GABAはその刈り込みに必須の物質とされる。


HLA(エチ・エル・エー)
ヒト白血球抗原のこと。Human Leukocyte Antigenの頭文字からHLAという。


ICSD(アイ・シー・エス・ディー)
The International Classification of Sleep Disordersの略で睡眠障害国際分類のことを指す。ICSDは1990年にアメリカ睡眠障害連合会により出版された。1994年に日本語翻訳版が出版され、今日の日本の睡眠障害研究の発展に役立っている。2004年に第2版(英語版)が改訂出版された。第2版の日本語翻訳版はまだ出版されていない(2007年6月現在)。


MSLT(エム・エス・エル・ティー)
Multiple Sleep Latency Test の略で反復睡眠潜時検査のこと。ナルコレプシーなどの過眠症の診断に、最も幅広く用いられている検査方法である。日中の眠気を客観的に評価するもので、唯一標準化された信頼性が最も高い検査方法である。一般的には終夜睡眠ポリグラフを実施した後の日中に測定する。睡眠ポリグラフの記録をとりながら、消燈から寝入るまでの時間(睡眠潜時)を測定する。4−5回試行を反復し、睡眠潜時の平均値を算出して、眠気の重症度の指標とする。


MWT(エム・ダブリュ・ティー)
Maintenance of Wakefulness Testの略で覚醒維持検査のこと。ベッドの横になり、睡眠ポリグラフを記録する。我慢して寝ないように指示を出し、消燈後から寝入るまでの時間(睡眠潜時)を測定する。薬物の影響を調べるときに用いられる。


OSAS(オー・サス)
閉塞型睡眠時無呼吸症候群のこと。Obstructive Sleep Apnea Syndromeの頭文字からOSASという。

OSA睡眠調査票(OSAすいみんちょうさひょう, OSA sleep inventory)
OSA睡眠調査票は、記入時間を十分にとることが出来ない臨床現場や多くの選択肢を持つ項目では、適切に反応できない中高年・高齢者を対象とした、起床時の睡眠内省を評価する心理尺度である。
この調査票は、第1因子:起床時眠気、第2因子:入眠と睡眠維持、第3因子:夢み、第4因子:疲労回復、第5因子:睡眠時間の5因子形16項目から構成されている。


PSG(ピー・エス・ジー)
Polysomnograhyの略。睡眠ポリグラフィーのこと。


PTSD(心的外傷後ストレス障害、Post-traumatic stress disorder)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)では、極度の外傷的なストレス(トラウマ)によって、数週間から数か月以内に、思い出そうとしていないのに突然そのトラウマを体験したときの感覚やイメージがよみがえってくることがある。この状況から逃れたいと思うものだが、そのような時に睡眠障害が現れることがある。
PTSDの患者の7割以上が、いわゆる悪夢によって中途覚醒や熟眠困難などの障害が現れるといわれ、睡眠障害はPTSDの一つの症状とも位置づけられている。また、PTSDではレム睡眠時に本来失われるはずの筋肉の活動がみられ、これが悪夢の際の異常行動(レム睡眠行動障害)を引き起こし、ケガの原因となることもある。


QOL(キュー・オー・エル)
生活の質のこと。Quality Of Lifeの頭文字を略してQOLと呼ぶ。例えば、日中の眠気や居眠りで生活に支障が生じる場合に、QOLが低下しているという。



RBD(アール・ビー・ディー)
レム睡眠行動障害のこと。英語名のREM Sleep Behavior Disorderの頭文字の略。


SAS(サス)
睡眠時無呼吸症候群のこと。英語名のSleep Apnea Syndromeの頭文字を略してSASと呼ばれる。


SOREMP(ソーレンプ)
Sleep-Onset REM Periodの略で入眠時レム睡眠期のこと。睡眠ポリグラフを記録しながら寝入りばなの睡眠活動を調べ、入眠後15分以内にレム睡眠が生じた場合に、入眠時レム睡眠期という。通常、入眠期はノンレム睡眠から始まるため、寝入りばなにレム睡眠が認められるかどうかを調べることによりナルコレプシーの鑑別診断に役立てることができる。


SRBD(エス・アール・ビー・ディー)
Sleep Related Breathing Disorderの略で睡眠時呼吸障害のこと。睡眠時呼吸障害とは、睡眠中に異常な呼吸が出現し、身体にさまざまな影響を与える病気の総称である。病的いびき、睡眠時無呼吸症候群などが有名である。


SSS(エス・エス・エス)
スタンフォード眠気尺度のこと。Stanford Sleepiness Scaleの頭文字の略。



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